- Masayoshi Konishi
中国子連れ留学⑧
(8)マナーの悪さは天下一品?

初めての中国生活でもっとも印象深かったのはやはりマナーの悪さだった。
中国旅行をしたことのある人や留学経験のある人は誰もが体験したことがあると思うが、その酷さといったらキリがない。
たとえば、痰はところかまわずペッペと吐く。
順番に並んで待つということはなく、早い者勝ち。
交通ルールはほとんど無視。
買った品物やお釣りを台の端から端へと投げ捨てる。
店員にものを尋ねてもペチャクチャおしゃべりをしているだけで反応なし。
偶然答えてくれたとしても「何!何が要るの!?早くして!!!」と乱暴な口調と面倒そうな態度。
バスに乗ったときなどは、さあ大変。
乗る人が先か降りる人が先か壮絶なバトルが始まる。
ある日私たち家族はその異常な光景に出くわすこととなった。
4歳だった息子がバスから降りようとすると、その前に中国人が乗り込んできた。
そうなると乗降者はもうパニック。
降りる人も必死だから息子は後ろからバスの外に突き落とされた。
折しも外は雨のため息子は水溜りの中へバシャ~ン!
それ以来息子は日本に戻ってからもしばらくの間バス乗車拒否を続けた。
また小さな公園に遊びに行った時このこと。
乗り物用のチケットを買うために売り場で並んだが、次から次へと親たちが割り込んできて「切符○枚!」と必死に叫び掴み取るようにして買っていく。
中国語の未熟だった私は「エ~,すいませんが、○枚下さい。」なんて悠長に言っている間に、別の親がまたも割り込んでくる。
息子はとうとうガンマンできなくなって泣き出す始末。
ここでもバトルが繰り広げられた。
親として戦いには負けられない。
やっとの想いで買い終えたときのエネルギーを使い果たしたようなあの脱力感はなんだったのだろう。